
ビニールハウスの温度ムラ・湿度ムラに悩んでいませんか?
ビニールハウス栽培では、「ハウスの奥と入り口付近で温度が違う」「湿気がこもって病気が出やすい」など、環境のムラに悩む生産者が少なくありません。
その解決策として導入が進んでいるのが、農業用循環扇です。
循環扇はハウス内の空気を効率よくかき混ぜ、温度・湿度・CO₂濃度を均一に保つことで、作物の生育を安定させることができます。
循環扇とは?ハウス環境を「均一化」する送風機

循環扇(じゅんかんせん)は、外気を取り入れる「換気扇」とは異なり、
ハウス内の空気を混ぜて温度を均一にすることに特化しています。
その結果、温度や湿度のムラを抑え、作物の生育環境を保つことが出来ます。
ビニールハウスで空気循環が必要な理由
ハウスの構造上、暖気は上に、冷気は下にたまりやすく、時間帯によって温度差が大きくなります。
さらに湿気がこもると、灰色かび病などの病害発生リスクが上昇します。
循環扇を導入することで、
・空気の層のムラがなくなり、温度差を縮小
・湿気が均等に拡散し、病気の発生を抑制
・CO₂が全体に行き渡り、光合成効率が向上
といった効果が期待できます。
循環扇を導入する5つのメリット
1.温度ムラの解消で生育を均一に
ハウス内の上下・前後の温度差のムラをなくし、作物の生育を均一化します。
結果として、収穫時期や品質がそろい、出荷の安定につながります。
2.湿度の均一化で病害リスクを軽減
湿気が特定の場所にこもると、病気の発生率が上がります。
循環扇による空気循環で、結露を防ぎ、病害を抑制できます。
3.CO₂の均一化で光合成を促進
光合成に必要なCO₂濃度を均等に保つことで、作物の成長スピードが向上します。
4.暖房効率の向上で省エネ化
暖気をハウス全体に循環させることで、燃料コストを削減。
近年は暖房費削減目的で導入するケースも増えています。
5.作業環境の改善
ハウス内の空気が循環し、快適な作業環境を維持することができます。

循環扇の種類と選び方
循環扇には、目的やハウス規模に応じていくつかの種類があります。
● 水平式循環扇
ハウスの中央付近に設置し、長距離へ風を送るタイプ。
大型ハウスや連棟ハウスに向いています。
● 直結式循環扇
モーターと羽根が一体型のシンプル構造。
小型ハウスや狭いスペースに最適で、コストも比較的抑えられます。
● 吊り下げ式・スタンド式
ハウス天井から吊るすタイプや、床置きできる可搬式タイプもあります。
用途や設置環境に合わせて柔軟に選択可能です。

選ぶときのチェックポイント
① ハウスの面積に対して、送風量が足りているか確認
送風量とは、1分間にどれだけの空気を送れるかを示す指標です。
循環扇のスペックに記載されています。
ハウス全体の空気を5~10分で一巡させるのが理想と言われており、ハウスの大きさによって、必要送風量は変わってきます。
② 防水・防錆性能(IP規格)
農業用循環扇は、以下のような環境で使われます
・湿度が高い
・水しぶきや薬剤散布がある
・肥料や土埃が舞う
・金属が錆びやすい
このため、IP規格で高い防水・防塵性能を持つ製品を選ぶことで、故障リスクの低減や安全性も向上し、長くお使いいただけます。
③ 電気工事・制御盤対応の有無を確認
循環扇は電動機器のため、使用するにあたり電気工事が必要となる場合があります。
以下のチェック項目をご参照の上、現場のチェックをしてください!
| 電源仕様 | 単相100Vか三相200Vか?現場の電源と合っているか |
|---|---|
| 消費電力 | 電源容量に対して過負荷にならないか |
| 制御盤対応 | リレー接点や通信端子があるか(例:RS485、Modbusなど) |
| 工事の必要性 | 電気工事士による施工が必要かどうか |
| 安全対策 | 漏電遮断器、アース接続、防水処理などが必要か |
④ メンテナンス・アフターケアを確認
農業用循環扇は「導入して終わり」ではなく、長く安全に使うための定期的なメンテナンスがとても重要です。
ファンの清掃や、モーターの点検等時期に合わせてチェックをする必要がございます。
メンテナンス性を左右するチェックポイント
✅ 分解・清掃のしやすさ:工具なしでガードが外せるか、羽根に手が届くか
✅ 防塵・防水性能(IP規格):汚れにくく、故障しにくい → メンテ頻度が減る
✅ モーターの密閉性:密閉型モーターはホコリに強く、長寿命
✅ 部品交換のしやすさ:消耗部品(羽根、ベアリングなど)が市販品で代替可能か
✅ メーカーのサポート体制:取扱説明書、交換部品、問い合わせ対応など
おすすめメーカー・モデル例
株式会社共走が取り扱う各種メーカーから販売されている循環扇の中から4製品を紹介します。
・ネポン株式会社:「ネポンファン」シリーズ
・渡辺パイプ株式会社:「ドライファンはやて」
・フルタ電気株式会社:「フルタエアビーム」
・福栄産業株式会社:「快適ファン」
いずれも農業現場で長年実績のある信頼性の高い製品です。
よくある質問(Q&A)
♦何台くらい設置すればよいですか?
ハウスの大きさや高さによりますが、10〜15m間隔で1台が目安です。
♦電気代はどのくらい?
1台あたり月数百円〜数千円程度(稼働時間・出力による)。
省エネ設計機種ならランニングコストは軽微です。
◆補助金を利用できますか?
一部地域では、省エネ機器・スマート農業機器導入補助金の対象になる場合があります。
循環扇導入で変わるハウス経営

循環扇を導入すると、
◆温度・湿度が安定 → 品質と収量の向上
◆暖房効率UP → 燃料費削減
◆作業環境の改善 → 労働効率の向上
といった効果が得られます。
特に最近は、環境制御(ICT化)との組み合わせで、さらなる省エネ・高収益化を実現するケースも増えています。
もっと相談したいことがございましたら、お気軽にご相談ください!
循環扇の導入・設置は株式会社共走へ
循環扇は、単に「風を送る機械」ではありません。
ハウス内の環境を制御し、収量・品質・作業性を左右する重要な農業設備です。
株式会社共走では、豊富な施工経験と技術力を活かし、
◇最適な循環扇の選定
◇設置設計・施工
◇アフターサポート
まで一貫対応しています。
ビニールハウスの環境改善や循環扇導入をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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